精皆勤手当は最低賃金の対象になるか

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最近、「精皆勤手当は最低賃金の対象になりますか?」というお問合せがありました。答えは、「ならない」です。

間違いやすいのが、精皆勤手当は割増賃金の基礎となる賃金に含まれる点ですね。
ちなみに、家族手当や通勤手当は、最低賃金の対象から除外されますが、割増賃金の基礎となる賃金からも除外されます。

社会保険労務士試験のひっかけ問題に出てきてもおかしくないぐらい箇所ですね(^^)

地域別最低賃金を支払わなかった場合は、50万円以下の罰金に処せられることがありますので、お気をつけいただけたらと思います。

学級閉鎖で休んだ子供を従業員が世話する場合はどうしたらいいか

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令和3年8月1日から令和4年9月30日までの間に学級閉鎖等で休んだ子供を従業員が世話する場合、小学校休業等対応助成金の申請が可能です。

では、学級閉鎖で休んだ子供を従業員が世話する場合で、かつその従業員が午前中に出社した場合は、対象になるのでしょうか。

その従業員が午後に特別休暇(有給)を取得した場合は申請の対象となります。必ずしも一日単位でなくても大丈夫です。

ご参考まで。

先週の打ち合わせにて

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先週、クライアントと打ち合わせで、「橋本さんに相談すると、何でも明快に答えが返ってくるからありがたい」とお褒めの言葉をいただきました。ありがとうございます。その社長によると、「他の人に相談をしても、豆腐に針を刺したみたいで要領を得ないことが多かった」とのこと。

私もその場ですぐに答えが出せないことは、もちろんありますが、いくつか選択肢がある中で、経営や組織における原理原則にかない、法律やこれまでの慣習を考慮したうえで、最善と思われるものを日々、アドバイスさせていただいています。

最終的な判断を下すのは、あくまで社長の役割。判断を下すまでに衆知をあつめれば、独善に陥ることも少なくなります。

衆知を集めるにはコツがいりますが、それについてはまた別の記事でお伝えしたいと思います。

事務員にも酒気帯び運転の確認は必要か。

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先日、クライアントより、「たまに車に乗る事務員も酒気帯び運転の確認は必要ですか」と質問がありました。

令和4年4月の道路交通法の改正により、会社名義の車が事業場に5台以上ある場合は、安全運転管理者を任命し、酒気帯びの確認をして記録し1年間保管をすることになりました。

その確認は、運転する前と後に行います。したがって、たまに車に乗る事務員についても、運転する日に限り、確認し記録をすることになります。

ご参考まで。

平等より公平を大事にする

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8月に各都道府県の地方最低賃金審議会において2022年度改定地域別最低賃金の引き上げ額が決定されました。福井県は888円です。

最低賃金の改定は労働者の生活の安定を目的としていますが、一種の平等主義の考えも根底にあると思われます。

平等というと、下にいる人たちを上にいる人たちの水準まで引き上げる、というイメージを持っている人も多いと思います。しかし、平等には、上にいる人たちを下にいる人たちの水準まで引きずり下ろす、というのもあります。社会主義者や共産主義者が唱えている平等は、この後者に該当するケースがほとんどです。

最低賃金の上昇という一面だけを見ると、労働者の給与が上がるのだと、一見思ってしまいます。しかし、企業が人件費に向けることができる資金には限りがあるため、最低賃金を上昇させる分の原資はどこから持ってくるかも見過ごしてはならないと思います。

正社員の将来の昇給分やボーナス、退職金を減額して、その原資にあてる会社もあれば、将来に必要な設備投資をあきらめて、その原資にあてる会社もあるでしょう。また、パートの労働時間数を短縮したり、余剰人員を減らすことで対応する会社もあると思われます。

さらには、扶養の範囲で働いているパートは、年間130万円未満に収入をおさえるために、会社に労働日を減らすよう申し出たりします。

平等が行き過ぎると、社会は余計におかしなことになることは、カンボジアのポルポト政権や旧ソ連などを見ればわかると思います。

企業もこれと同じです。努力した社員、成果を上げた社員には厚く処遇し、そうではない社員には薄く処遇をする。これができれば、公平な処遇と言えるでしょう。

平等よりも公平を大事にする。
事業を行うときに、この考えを意識してみてはいかがでしょうか。

※最低賃金は、法律で決まっていることなので、きちんと守りましょう。

最近の労働基準監督署調査の傾向

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最近の労働基準監督署調査の傾向として、休憩時間の把握を指摘されることが多くなっています。4、5年前まではあまり指摘はされなかったのですが、2019年4月以降に労働基準法が改正されて、時間外労働の上限規制が導入された影響も大きいと思います。

タイムカードで始業と終業時刻が記録されていても、休憩の開始時刻と終了時刻が記録されていなければ、労働時間を正確に把握したことにはなりません。そのため、監督官から、休憩の開始時刻と終了時刻が記録されたタイムカードの提出を指導されることになります。

ちなみに、ある監督官の方が教えてくれたのですが、一日数十件単位で、労働者からの通報の電話があるそうです。「うちの会社は年次有給休暇を取らせてくれない」とか「残業代をきちんと払ってくれない」といった内容だそうです。

コンプライアンス意識を高めて、使用者と労働者が協力し合える会社にしていけるといいですね。

くすぐったい一日

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昨日は、年金事務所の調査立合いに行ってきました。

調査官から一点、指摘がありました。そこで「新型コロナウイルス感染症の影響による見舞金の取り扱い」ついて説明をさせていただいたところ、「さすがだな、先生」と調査官の方がポツリと一言。

特に大きな是正を受けることもなく、無事に立合いを終了しました。

年金事務所の方からほめられ、顧問先の社長からも感謝されて、なんだかくすぐったい一日でした。

2023年4月からの割増賃金率の引き上げ

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2023年4月から中小企業も、月60時間を超える法定時間外労働に対して、50%以上の率で計算した割増賃金を支払うことが義務となりました。

負担のことを考えると、長時間労働をさせるメリットは何もないと言ってよいと思います。

長時間労働を減らしていくには、短期的には、生産性向上につながる設備機械の導入、外国人労働者の雇用による人手不足解消、シフトの見直しや無駄な労働の削減などが考えられます。

長期的には、経営戦略・方針の抜本的な改革も避けられないと思います。

年中無休のお店であれば、週1日の定休日を導入したり、営業時間の短縮なども大いにありだと思います。定休日の導入や営業時間の短縮は、一見売上が減少して損するように思いますが、人件費や光熱費などのコストも減少し、結果として経営効率が向上します。

「とにかく長く働けばいい」という価値観の時代は終わりを告げたと言えます。

業務中に従業員が新型コロナに感染したら何が必要?その2

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前回、「従業員が新型コロナに感染した場合、それが業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります」とお伝えしましたが、これはあくまで原則の話。

介護や医師・看護師の業務に従事される労働者については、業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則として労災保険給付の対象となります。この場合、「労働者がどこで感染したと思っているか」も判断のポイントの一つです。

ご参考まで。

業務中に従業員が新型コロナに感染したら何が必要?

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従業員が新型コロナに感染した場合、それが業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。

休業4日目からは、労災保険が補償を行いますが、休業初日から3日間はどうすべきでしょうか。

その場合、休業初日から3日間は、事業主が平均賃金の60%の補償をする必要があります。この3日間は、労働者が希望する場合は、年次有給休暇を使用することもできます。

ちなみに、最初の3日間に休業補償を行った場合は、あくまで「補償」で「給与」扱いにはなりません。所得税や社会保険料の対象にはならないということです。

間違いやすいので気をつけてくださいね。

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