今年の4月以降に、新規の顧問契約を4社結ばせていただいたのですが、そのうち1社から「時間単位有給休暇の導入を考えたい」とのご相談がありました。
「管理が大変になりますけど、大丈夫ですか?」と私は伝えたのですが、「大丈夫です。」とのことでしたので、時間単位年休の導入に関するお手伝いをさせていただきました。
時間単位有給休暇の注意点を以下にまとめてみたいと思います。
まず基本的なことですが、労使協定の締結が必要ということです。労使協定で定める内容は以下のとおり。
①対象労働者の範囲
②時間単位有給休暇の日数
③時間単位有給休暇1日の時間数
④1時間以外の時間を単位とする場合の時間数
また、労使協定と同様の内容が就業規則に規定されていることが必要です。時間単位年休の導入をしている企業様の中には、就業規則への規定を忘れているケースが意外と多いと思います。
さらに、毎年、時間単位で取得できる有給休暇は5日以内と定められていることも注意が必要です。では、前年度からの繰越分がある場合はどうしたらいいでしょうか。
時間単位有給休暇の上限は、前年度の繰越分も含めて5日以内に限られています。前年度の繰越が8日分あった場合、8日+5日で13日分が時間単位有給休暇として取得できるわけではありませんので、注意が必要です。
そして、「1日の取得時間数の制限を設けること」や「所定労働時間の途中に取得できないようにすること」、「取得できない時間帯を設けること」もできないことになっています。
時間単位有給休暇は、通常の年次有給休暇よりも注意すべき点が多いため、社内で時間単位有給休暇制度の運用ルールをきちんと伝えておくことが大切となります。