直観を経営に活用するには

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認知学の研究者ゲルト・ギーゲレンツァー氏によると、人間の脳の直観は、数学者が挑むレベルの計算を瞬時に行えるほど優れているそうです。一例として、野球でフライが上がると、選手は落下地点を直観で予測して、ボールをキャッチします。フライが上がったときのボールの動きは、放物型偏微分方程式が解けないと、正確に予測はできませんが、選手の脳は、この計算を一瞬で解いてしまうわけです。

人間の直観は、このようなすごいパワーを秘めていますから、経営に生かさない手はありません。

では、どのように経営に活用するかというと、一つは、採用面接の場面だと思います。

一般的な会社の場合、まず履歴書を事前に送付してもらって、その内容を分析し、書類で落とす人を決めているかと思います。そして書類選考で合格した人については、履歴書をもとにどんな人間かを想像して、面接時の質問の内容を決めていると思います。

このように、履歴書やエントリーシートの事前情報を得ると、バイアス(思い込み)がかかってしまい、直観のすごいパワーを活かせないで終わってしまいます。

人間の直観は、初対面のときにすさまじい力を発揮します。ある程度人生経験のある方なら、身に覚えはあるでしょうし、科学的な研究でも証明されています。原始時代、人間は初対面のときに、相手が危険かどうかを一瞬で見分ける必要があったため、人間の直観力は発達をしてきたのではないかと思います。

採用面接をするときは、履歴書などの事前情報を得る前に、まずは会ってみる。そして直観をフルに働かせる。人事改革の第一歩として、それらを始めてはいかがでしょうか。